Google AdWordsを効果的に運用するための考え方と基礎知識
はじめに
久しぶりにGoogle AdWordsを使うことになったのでどのように広告を作るべきか、考え方と基礎知識を文章に起こしてみました。
AdWordsを使い始めるには
AdWordsを使うために必要な大まかなステップはこの通りです。AdWordsを使うのは難しくなく、はじめて使う方でも1時間ほどあれば広告を出すことができます。
AdWordsの難しさ
AdWordsは簡単に広告を出すことができますが、効果的に利用するためには広告の品質(広告ランク)を意識しなければなりません。品質の低い広告はクリックされる・されないの前に表示すらされません。
広告ランクとは
広告ランクは、オークションにかけられる広告がユーザーの検索で掲載候補になるたびに計算されます。この計算では、入札単価、オークション時の推定クリック率や広告の関連性、リンク先ページの利便性の測定結果などの要素が考慮されます。オークション時の品質に影響する要素を決定する際には、さまざまな種類の要素が検討されます。下記の各要素を改善すると、広告ランクにおける品質に影響する要素の向上につながります。
- 広告の推定クリック率
- 表示 URL の過去のクリック率
- リンク先ページの品質
- 広告と検索の関連性
- 地域別の掲載結果
- ターゲットに設定しているデバイス
広告の品質による影響
広告の評価が高いほど、安く広告を出すことができ上位に表示されやすくなり、具体的にこのようなメリットがあります。
- 広告オークションの参加資格が得られやすい
- 実際のクリック単価(CPC)が低くなりやすい
- 最初のページに表示されやすい
- ページ上部に表示されやすい
- 広告表示オプションやその他のフォーマットを表示できる可能性が高まる
効果的に広告を出すには
AdWordsを効果的に運用する方法を簡潔に表すとコンバージョンに合わせたシナリオをどれだけ用意できるかということだと思います。大前提としてユーザーのニーズを満たすサービスやソリューションであることが最も大事ですが、広告ランクを意識した上で効果を出すポイントがこの6つです。
- ビジネス・ゴールの定義
- ビジネス・ゴールを満たすコンバージョンの定義
- コンバージョンさせたいターゲットユーザーの定義(見込み客または潜在顧客)
- ターゲットに合わせたコンバージョンまでの導線設計(ターゲットに合わせたシナリオ)
- ターゲットが検索しそうなキーワードの選定
- ターゲットユーザーの検索意図や問題提起にマッチしている広告の作成
- 広告にマッチした魅力的ランディングページ等の作成
この一連の流れがキーワードにマッチしていれば広告の品質も高く評価されやすい。これを実践するのはそれなりに時間もかかるので、はじめは少ないシナリオからだんだんと数を増やしていくのが現実的です。
ランディングページの重要性
すばらしいサービスで魅力的な広告文が用意されクリックされても最後のランディングページで不信感をもたれたりページが表示されずに離脱されてしまっては大きな機会損失ですし、クリックされた時点で広告費は発生しています。
ランディングページは広告の品質の要素のひとつであり広告ランクに影響を与えます。ランディングページは定期的にクロールされ評価されます。ここではざっくりした内容をまとめていますが詳しくはこちらランディング ページの利便性についてをチェックしてください。
- 関連性が高く有用で独創性のあるコンテンツ
- 広告文とキーワードに関連している
- 有益な情報を提供している
- 他のサイトにはないコンテンツが提供されている
- 透明性と正確さ
- 広告主の連絡先がすぐにわかる
- 個人情報を求める場合、理由や用途が明確である
- 会社の情報を公開している
- 操作性
- 必要な情報が見つけやすい
- 簡単に次のアクションを起こせる
- ユーザーを煩わせない
- 詳細な情報にアクセスできる
技術的な面でみるランディングページの利便性
ランディングページの評価を上げるにはページの作りも重要です。これらの要素が広告の評価に大きく影響します。モバイルからの検索をターゲットにしている場合、ランディングページのモバイル対応も重要になります。
- クロールされやすい作りである
- セマンティック・ウェブである
- ある程度のテキスト量がある
- 画像にはalt属性を使い文脈を指定している
- どのデバイスでも素早くアクセスできる
- モバイルデバイスへの対応
- ページの読み込み時間が早い(モバイルを含む)
PDCAサイクルを回すための準備
すでに今までの説明で計画(P)と実施(D)はできるわけですが、評価(C)と改善(A)を行えるよう準備が必要です。キーワードや広告文の評価はGoogle AdWords、ランディングページの評価はGoogle Analyticsを使います。コンバージョンについてはGoogle Analyticsでも行えますし、Google AdWordsをのコンバージョン機能でも可能です。どちらも合わせてつかうこともできます。
また、Google AdWordsとGoogle Analyticsを連携させる広告向け機能(β版)を有効化しておけば以下の機能が使えるようになります。
- Google アナリティクス リマーケティング
- Google ディスプレイ ネットワークの表示回数レポート
- Google アナリティクスのユーザーの分布とインタレスト カテゴリに関するレポート
- 広告 Cookie と匿名 ID を使ったデータも収集するのに Google アナリティクスを必要とする統合されたサービス
この中でも気になるのがGoogle アナリティクス リマーケティングの機能でサイトに訪れたユーザーの属性(年齢や性別、アクセス地域、滞在時間)を使ってユーザーリストを作成し、そのユーザーに対してAdWords広告キャンペーンをつくることができます。このユーザーリストはGoogle Analytics上で作成します。
広告表示オプション
PDCAが上手く回り広告ランクが上がれば広告表示オプションが使えるようになり、さらにクリックを見込めるようになります。広告表示オプションはキャンペーンの掲載結果に改善が見込まれ、なおかつ広告ランクが基準に達している場合に限ります。主な広告表示オプションは以下の通りです。
手動
自動
以下のオプションは自動で追加されます。ただし、オプションを表示するには予め必要な設定があります。
評価と改善をサポートするツール
この記事では詳しい説明を省きますがGoogle AdWordsで提供されている運用ツールを紹介します。詳しくはヘルプを参照してください。
- コンバージョンのトラッキング
- アトリビューション(検索ユーザーの行動経路)
- キーワードプランナー
- ディスプレイキャンペーンプランナー
- 広告プレビューと診断ツール
コンバージョンのトラッキング
コンバージョン対象のページに専用のタグを設置し、コンバージョンを計測できます。
コンバージョン トラッキングは無料のツールで、広告をクリックしたユーザーのその後の行動を把握することができます。
アトリビューション(検索ユーザーの行動経路)
コンバージョントラッキングを設定していれば、コンバージョンに至るまでに検索されたキーワードやクリックされた広告、関連するキーワードレポートを見ることができます。
アトリビューション レポートには、広告やクリックなど、ユーザーがコンバージョンを達成するに至った様々な要因や経路が表示されます。
キーワードプランナー
キーワードプランナーはキーワードを探したり、過去の掲載結果データとトラフィックの予測データを確認できます。
キーワード プランナーは、新しい検索ネットワーク キャンペーンの作成や、既存のキャンペーンの見直しに役立つツールです。
- 新しいキーワードと広告グループの候補を検索
- キーワードの検索ボリュームを取得、またはキーワードを広告グループに分類
- キーワード リストのトラフィックの予測データを取得
キーワードのリストを組み合わせて新しいキーワード候補の取得
ディスプレイキャンペーンプランナー
ディスプレイキャンペーンプランナーは媒体やユーザー層等のターゲットに合わせた広告の表示回数や見積もりデータを提供します。
ディスプレイ キャンペーンのプラン作成に役立つ、ターゲット候補や見積もりデータを確認できる AdWords アカウントのツールです。
広告プレビューと診断ツール
広告プレビューと診断では実際に特定のキーワードで検索した際に広告が表示されるか診断できます。ドメイン、言語、地域、デバイスでフィルタリングが可能です。
広告プレビューと診断ツールでは、インプレッションを発生させることなく、通常の Google 検索結果ページと同じように広告を検索することができます。
これらの運用ツールだけでなく、キャンペーンの管理画面で入札戦略を管理したり自動化したりできるようです。ページ上部に表示したり最初のページに表示されるよう入札単価を自動化することができます。
まとめ
AdWordsの費用対効果は広告ランク次第なのである程度コストをかけてでもシナリオ用意してPDCAを回したいですね。画像も一切無いのでもう少し詳しく見たいかGoogle AdWordsは分かりやすいヘルプが用意されているのでそちらもお勧め。